■高浜原発ストップ ふたたび仮処分申請(2015年1月30日)
関西電力が再稼働を目指している福井県の高浜原発について、滋賀県の住民29人が「大地震や津波などへの備えが進まないまま、再稼働が迫っている」と、大津地方裁判所に再稼働の禁止を求める仮処分を申し立てました。
問題となっている高浜原発の3、4号機(福井県高浜町)は、関西電力が再稼働を目指しており、国の原子力規制委員会は審査の事実上の合格とされる、審査書案を去年12月に了承しています。
申請したのは高浜原発から70キロ圏に住む滋賀県内の29人です。申立書では、想定される最大規模の地震の揺れ「基準地震動」について、過去の地震の平均像で決めた関電側の耐震設計に問題があるほか、滋賀県や長浜市など周辺自治体で避難計画が整備されていないと指摘。「大地震や津波などへの備えが進まず、原発事故が起きて琵琶湖が汚染される恐れがあるのに、住民の安全を確保する合理的な避難計画もつくられないまま、原発の再稼働が目前に迫っている」としています。
住民は2011年8月、原発の再稼働禁止を求めて仮処分を申請しましたが、大津地裁は昨年11月、避難計画や耐震設計などが未整備な点をあげて「原子力規制委員会が、早急に再稼働を容認するとはとうてい考え難く、差し迫る状況にない」と、申し立てを退ける決定をしました。
記者会見した井戸謙一弁護団長は「状況が変わって再稼働は差し迫っている。原発の危険性に裁判所としての判断を正面から問いたい」と述べました。
また申し立て人代表の辻義則さん(67)も「いよいよ高反原発が再稼働で動き出そうとしている。昨年11月の却下決定に照らしてもう一度問いたい」と話しました。