Q 共産党の「返済しなくていい奨学金」は、返済している人に不公平にならないか?

A 返済している人にも配慮した提案です。親の所得によって子が大学に行けないなどの「負の連鎖」をなくし、教育の機会均等を実現します。

 OECD加盟国で、大学に学費があり、返済しなくてもいい給付型奨学金の制度がないのは日本だけです。政府は、異常に高い学費をそのままにし、奨学金を「学資ローン」のように利子つきにし、奨学金から保証金を天引きすることにまで改悪しました。

 奨学金を受けている学生は、1998年から2014年までに3・7倍にふえ、2人に1人が奨学金を受けています。貸与額は4・9倍にもなっています。異常に高い学費、親世代の所得の減少が、奨学金への依存を強めたのです。

 ところが国は、その期待にそむき続けています。無利子だった奨学金制度に、利子つき奨学金を導入し、その割合は全体の4分の3を占めるまでになりました。

 返済しないでよい給付型奨学金は、自民党の公約でしたが、実施は先送りされ、若者を社会に出る第一歩から重い返済で苦しめています。

 国の奨学金事業を実施している日本学生支援機構は、返済できない人に年間約6000件も返還請求裁判を起こし、連帯保証人の親が高齢になって、連帯保証人としての返済が困難になる場合に備え、奨学金から保証料を天引きするようにしました。

 日本共産党は、このような延滞金や連帯保証人、保証料を廃止し、返済困難な人への相談窓口を設けます。

 また新規の奨学金はただちに無利子にし、在学中の学生は無利子制度に借り換えできるようにします。返済中の人には減免制度を設け、所得に応じて返済する制度にします。

 また給付制奨学金もただちに実現し、経済的理由で退学に追い込まれる学生を支援し、奨学金を給付性にしていきます。

 日本は2012年、国際人権規約の「高等教育の漸進的無償化」条項を受け入れました。憲法と教育基本法は、教育の機会均等を定めています。日本共産党は、学費無償化を着実に前進させ、安心して使える奨学金制度を実現するために全力を尽くします。