Q 大企業に増税したら海外に出て行ってしまって、国民は困るのでは?


A 大企業の実質の税負担は中小企業より低く この不公平を正すことを主張しています


 日本共産党は「消費税に頼らない別の道」を提案しています。

 これは、①富裕層や大企業への優遇をあらため、「能力に応じた負担」の原則をつらぬく税制改革と、②大企業の内部留保の一部を活用し、国民の所得を増やす経済改革で、税収を増やすことが大きな柱です。

 この中で日本共産党は、大企業や大資産家に応分の負担を求めることを提案しています。

 企業にかかる法人税の実質負担率は14%ですが、中小企業は25%です。

 こうなっている理由は、さまざまな減税の優遇制度が適用されているからです。しかもこの制度は中小企業には利用できないものが多いのです。

  安倍政権は、さらに大企業への法人税をさらに減税しようとしています。財界の要求通りに実施すれば5兆円、政府が「新・成長戦略」に掲げた分だけでも2.5兆円という、巨額の減税になります。

 それを消費税増税を財政再建のためだといいながら、一方で減税するというのですから、消費税の増税理由はまったくなりたたないのです。

 しかも大企業に減税しても、景気は良くなりません。大企業はすでに国家財政の3倍というような巨額の内部留保を抱えていますが、働く人の給料をあげたり、雇用を増やしたり、投資に回していません。減税しても、内部留保を増やすだけで、国民にはおこぼれも回ってきません。

 安倍首相が進める「アベノミクス」は、円安効果で大企業に巨額の利益、株高で富裕層に恩恵をもたらしましたが、働く人の実質賃金は16か月連続で減少し、景気悪化と格差拡大を引き起こしています。

 日本共産党は、大企業と株主優先の「アベノミクス」に反対していますが、内部留保を税金で取り上げると言っているのではなく、賃金アップや、中小企業に適正な単価を支払うことなどを主張しています。法人税を元に戻すことは主張していますが、法人税を世界の動きと無関係に上げるとも主張していません。こうして国民のふところが温まって景気が良くなれば、大企業ももうかるのです。

 ですから、不公平が正されても、「増税不況」の中でも巨額の利益をあげている大企業が外国に出て行ってしまうことは、考えられません。

 それは、法人税の引き下げ競争と税収減という悪循環を断ち切ろうという動きが始まっているためです。税制の優遇はなくなっても諸外国のほうが法人税が高ければ、外国に出かける理由はないからです。

 日本共産党は、法人税は適正に引き上げることを将来展望として持っていますが、それは国際的な法人税の是正に合わせてという立場をとっています。日本共産党は、不合理をなくせと言っているのであって、大企業を敵だと見るような立場をとっているわけではではありません。

 9日に大津市のパルコ前で演説した自民党の谷垣貞一幹事長も、「国民の前に、我々はこれをやるということを明確に示せ内党は政権をとれるはずがないし、とらしてもいけない。じゃあ、明確に示せる党はどこか。一つは共産党です。だけど、われわれが共産党に負けるわけにはいかない」と話しました。口が滑ったのではなく、京都でも同じことを言いましたから、本音です。

 日本の経済をどう立て直すかでも、自共対決が非常に明確になっているということです。日本共産党は、国民の大多数が願う経済政策を持って、消費税など亡国の道を歩む自民、公明政権に厳しい審判となるよう、奮闘しています。