私は今日、大阪梅田の帰阪第一声の演説で、「日本共産党が躍進すれば、政治の流れは必ず変わります!」と訴えた。ここが今回の選挙の訴えどころだ。「日本共産党が躍進すれば、政治の流れが変わる」というのは、日本共産党が衆議院の過半数をとることを想定しての話ではない。
私たちが、今回の選挙でわが党が掲げた議席獲得目標は、「すべての比例ブロックで議席獲得・議席増をかちとり、小選挙区でも議席を獲得する」というもの。これを現有議席にあてはめれば比例で20議席程度となる。
これは現有8議席から見れば、2.5倍という大志あるものだが、とうてい過半数には及ばない。しかし、この目標をやりきれば政治の流れは必ず変わるだろう。
今野党の一部に「政治を変えるには政権を代えなければならない。そのためには候補者を調整して反自民勢力で過半数をとらねばならない」という主張があるが、これは「二大政党病」とでも言うべき病癖だ。
こういうことを言う人たちは、「国民の世論と運動で国会を包囲し、野党として論戦で政権を突き動かし、野党であっても政治を動かす」というような活動をしてこなかった人たちだ。「とにかく政権を取らねば何もできない」など言って、選挙で過半数を押さえるための戦術に没頭してきた人たちではないか。そして実際、そういう人たちは政権を取っても何もできなかった。
当然だ。世論や運動と結ぶことなく、政党の取引や選挙戦術だけに没頭してきた人たちが、政権を担ったとしても、けっきょく、役所や官僚の言いなりになるか、それがうまくいかなかったら、その官僚を恨み、「官僚支配」なるものに敵を見誤るぐらいしかなすすべがなかろう。
わが党はそういう党ではない。常に全国津々浦々の国民の要求と結びつき、運動をおこし手を携え、請願署名を積み上げ、国会論戦で政府の姿勢を質し、建設的な対案を示して政治を動かす。これまでの8人の衆議院の議席でも、そういう活動を貫いてきた。2.5倍の20人の議員団になったら、もっと大きく政治を動かすことができる。
また政治は、単純な「足し算」ではない。日本共産党が「消費税増税中止、集団的自衛権行使反対、秘密保護法は廃止を、原発再稼働反対、TPP交渉から撤退せよ、沖縄新基地建設反対」等々をかかげて、総選挙で目に見えて大躍進すれば、来春のいっせい地方選挙でも、再来年の参議院選挙に向けても、躍進したければ他の野党も同じような主張をするようになるだろう。政治とは「掛け算」なのである。
その時こそ、真の統一戦線・野党共同が現実的な展望を持つ時だ。今のような、国政上の根本問題で自民党と対決軸を持たない政党とわが党が、「自民党を落とす」などというだけの「数合わせ」のために無原則に候補者の調整や選挙の協力を行うことは(沖縄を除いて)ありえないし、やったところで国民にとっては、いささかもよい結果は生まれないであろう。
日本共産党が大躍進すれば、他の野党にも変化が現われるであろう。変化が現れれば共同の場面が広がるであろう。そういう変化が広がれば政治の流れは確実に変わるであろう。日本共産党が躍進すれば、日本の政治は必ず変わるに違いない。