大津市議会は20日、「集団的自衛権行使の安易な容認を行わないようを求める意見書を」求めた請願を賛成多数で採択しました。以下は請願の全文です。
請願
集団的自衛権行使の安易な容認を行わないことを求める意見書の提出を求めることについて(2014年6月2日受理)
請願趣旨
安倍首相は、「集団的自衛権」に関する、これまでの政府見解を覆し、現憲法下にあっても行使可能とする解釈変更を行う意向を表明しています。
集団的自衛権とは、「自国と密接な関係にある外国に対する攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力を持って阻止する権利」とされています。
集団的自衛権に関する現在の、そしてこれまでの一貫した政府見解は、「我が国が、国際法上、集団的自衛権を有していることは主権国家である以上当然であるが、憲法9条のもとで許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない」(1981年5月29日の政府答弁書)というものでした。
日本国憲法第9条は、第1項で戦争と武力の行使、武力による威嚇すべてを放棄し、第2項で戦力の不保持、交戦権の否認をうたっており、いわばすべての戦争を否定する徹底した平和主義に立っています。そうした中で、これまで政府は、万一外部からの武力攻撃によって国民の生命・財産が危険にさらされた状況において、国民の生命財産を守るために最低限の実力行使としての自衛権はあるとしてきました。いわゆる専守防衛の自衛隊です。従って、直接的には国民の生命・財産が危険にさらされている状況ではないにもかかわらず、武力行使する集団的自衛権の行使に対して、憲法9条が容認していると解釈することは困難です。
またこの政府見解は半世紀にわたり、長時間の国会論戦の中で積み上げられてきた憲法解釈に基づくものです。
安倍首相は、首相の私的諮問機関の報告書だけで集団的自衛権の行使を容認しようとしているが、とうてい許されるものではありません。また、戦後半世紀にわたって積み上げられてきた憲法解釈を、一内閣の判断で安易に変更するようなことになれば、立憲主義は危機に瀕することになり、行政の一貫性は保てず、国民の信頼を揺るがすことになります。
今政府に求められていることは、集団的自衛権行使の憲法解釈の変更を急ぐことではなく、国際平和に貢献する日本の役割について、広く国会と国民の中から議論を通じた合意をつくることです。
よって、大津市議会として、政府に対しけっして一内閣の判断で、集団的自衛権の行使に関する憲法解釈の変更を行い、安易に行使容認を行わないことを強く要請する旨の意見書を提出することを請願します。