■首長・教育長の権限強化やめ、地方教育行政の自主性確保を 日野町議会(2014年3月26日,共産党滋賀HP

 日野町議会は、政府への「地方教育行政の自主性の確保を求める意見書」を全会一致で採択しました。全文を紹介します。


  地方教育行政の自主性の確保を求める意見書

 中央教育審議会教育制度分科会の「今後の地方教育行政の在り方について(答申)」(以下「答申」)を受け、与党において地教行法の改正作業が行われ、3月中にも今通常国会に提出とされています。現在、与党において法案の改正作業が行われており、首長の権限強化とともに、国の是正要求について要件緩和などが検討されています。

 現行の地方教育行政は、戦後、戦前の教育の反省の上に立って、安定性、継続性、中立性を担保するため、一般行政とは独立した行政委員会として確立されました。また、地方自治の原則に立ち、国家の関与は抑制的であるべきとされてきました。

 こうした基本原理をないがしろたし、首長や国の権限を強化することは、子どもたちの成長や発達をその時々の首長や政府に従属させるものとなってしまい現場が振り回されることになりかねません。

 現に、教育制度分科会での審議でも首長や教育長の権限強化への強い懸念が表明され、11月27日の答申にはなかった、教育委員会を執行機関として存置する案が「別案」として併記される異例のものとなりました。これは、教育が特定の政治勢力や政治家に振り回されてはならないとの多くの父母・国民の願いの反映でもあります。

 マスコミ報道でも「(首長を地方教育行政の執行機関とする制度が)実現すれば、戦前の軍国主義教育への反省から、国や政治家に対する歯止め役を担ってきた教育委員会制度の根本が揺らぐ」(東京新聞)「首長が選挙で交代するたびに、教育の目標や教科書採択の方針が変わることになれば、教育現場に混乱を招きかねない」(読売新聞)などの懸念が表明されています。

 教育は、子どもや地域の実態を踏まえた施策が求められます。したがって、教育現場や地方教育行政は、その自主性の確保が重要です。

 よって、日野町議会は、国会および政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請します。

                    記

1. 地方教育行政の自主性を確保し、子ども・保護者・住民のための教育行政を確立すること。

2. 拙速な地教行法の改正を行わないこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成26年3月26日
              滋賀県蒲生郡日野町議会

【衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、文部科学大臣 宛】