■「憲法の解釈は権力者の恣意に任せられてはならない」

  安倍首相の集団的自衛権を認める解釈改憲に反対 守山市議会が意見書
(2014年3月25日)

 滋賀県守山市議会は、安倍首相が集団的自衛権の行使を認める憲法解釈は、首相の一存でできるとしたことに、きびしく抗議し、反対する意見書を賛成多数で採択しました。採決には3市議が棄権しましたが、反対はありませんでした。全文を紹介します。


  集団的自衛権行使を容認する解釈改憲に反対する意見書

 安倍首相は衆院予算委員会で、現行憲法下で禁止されてきた集団的自衛権行使の憲法解釈を自らの一存で変更できるとの立場を示した。これまでの歴代政権の憲法解釈を真っ向から否定するものであり、「憲法とは権力を縛るもの」という立憲主義の原則さえ否定するものである。このような露骨な解釈改憲の姿勢に、自民党内からも批判が起きている。

 集団的自衛権とは、自国が攻撃を受けていなくても、同盟国などが攻撃を受けた場合反撃するというものである。政府は1972年の参院決算委員会に提出した資料で「我が憲法下で武力行使を行うことが許されるのは、我が国に対する急迫不正の侵害に対する場合に限られる」「他国に加えられた武力攻撃を阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」と明記している。安倍首相の発言は、これまでの政府見解を否定し、最高法規としての憲法のあり方、立憲主義をも否定することにもなりかねない。

 そもそも憲法は、国家権力を厳格に拘束するものであり、政権が変わるたびに多数派が憲法の解釈を自由に変えることができるなら、憲法が憲法でなくなってしまいかねない。内閣に憲法の解釈を勝手に変える権限はない。国民主権の立場で国家権力を制限し、国民の人権を守るのが憲法の本質的役割であり、立憲主義の原則である。このような憲法の本質に照らして、憲法の解釈は権力者の恣意に任せられることがあってはならないものであり、極めて慎重に取り扱われるべきものである。

 このことから、当市議会は、政府において日本の「自衛」とは無関係で、なおかつ海外で戦争をする国となる集団的自衛権行使を容認する憲法解釈の見直しを安易に行わないよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

    平成26年3月20日
                  守山市議会議長 中野 隆三

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 宛