■住民団体「いのちとびわ湖を放射能から守る輪」が知事に関電の原発再稼働申請の取り下げを要請(2013年8月20日 共産党滋賀HP)
滋賀県知事 嘉田由紀子様
2013年8月20日
いのちとびわ湖を放射能から守る輪
代表委員 畑 明 郎 辻 義 則 熊谷 直道
節木三千代 福田 章典 宮下ゆたか
佐藤 耕平
関西電力株式会社に原発再稼働申請の取り下げを求める要望書
原子力規制委員会が、原子炉等規制法の改定に伴う、地震・津波対策、重大事故への対策などを求めた新規制基準を決定したことにともない、関西電力の大飯原発3・4号機、高浜原発3・4号機を含め、4電力会社6原発で12基の原発再稼働の審査を求める申請が出され、すでに審査が始まっています。
しかし、私たちは以下の理由により、各電力会社のこのような申請を断じて認めることはできません。
貴職が、住民の生命と財産、及び近畿1450万人の命の水源を断固として守る立場から、県民を代表して、関西電力株式会社に対し再稼働申請を取り下げるよう求めることを申し入れるものです。
第1に、福島第一原発事故後、2年余を経過した現在も、現地では汚染水が増え続け、未だに15万人の人がふるさとに帰れないなど、収束にほど遠い事態となっています。そのうえ原因究明さえ出来ていません。こうしたなかでの再稼働など論外です。
第2に、新規制基準は福島原発事故の教訓を取り入れてなどとしていますが、時間のかかる重要な対策は軒並み先延ばしされています。例えば福島事故で問題となった水位計は施行後に基準づくりをするとか、第2制御室の設置や、「フィルター付きベント」の設置なども5年の猶予を認めるというもので、安心・安全が確保されるものではありません。
第3に、規制委は7月23日、大飯原発・高浜原発の審査について、問題点を示して審査を進めないとしました。高浜の場合、新規制基準で求める地下深くの構造の詳細が把握できておらず、津波もまた福井県の想定を反映していないとし、大飯の場合は、規制委が敷地断層内の見解を取りまとめるまで審査を進めないとしました。
このようなもとでの再稼働申請など、到底許されません。 新規制基準は「過酷事故は否定できない」ことを認めていますが、一度、過酷事故が起れば、今回の福島第一原発事故や、かってのチェルノブイリ事故にもみられるように、回復できない被害を住民と環境に与えることは明白です。その場合、近畿1450万人の命の水源に取り返しのつかないことになることは明らかです。
そもそも、原発と人類は共存できないことは明白です。
このようなことが明らかな以上、「即時原発ゼロ」を決断することこそ重要です。そして原発に頼らず、省エネ、節電の徹底と、再生可能エネルギーへの転換に舵を切ることこそ、求められています。
貴職が、以上の立場から、関西電力株式会社に対して、大飯原発・高浜原発の原子力規制委員会に対する再稼働申請を取り下げるよう、同社に申入れることを求めるものです。
以上