「ストップTPP!県民緊急集会」の開催にあたり、メッセージを送らせていただきます。
 
 TPP協定が我が国に及ぼす影響や必要な対顔などについて、国民に十分な説明がないまま、去る3月15日に安倍総理がTPP交渉参加を表明されたことは大変残念に思っています。
 
 また、その際に政府が公表された「関税撤廃した場合の経済効果についての政府統一試算」では、一定の仮定の下ではありますが、日本経済全体ではGDPが3.2兆円増加するとされ、県内総生産に占める第2次産業の割合が極めて高い本県の経済全体にとっても押し上げ効果は少なからずあると思われます。
 
 一方で、国内の農林水産物生産額については3兆円のマイナスの影響があるとされ、これを本県にあてはめた場合、金額にして249億円の生産減少が見込まれます。さらに、本県では米づくりを中心に農業生産活動が行われておりますが、農業は、美味しい農産物の供給という本来の機能と併せて、美しく豊かな自然環境を保全するとともに、個性豊かな地域の文化や歴史を育み、地域社会を維持するなどの金額に表せない多面的な機能を有しています。
 
 TPP協牢交渉の対象分野は、非関税措置の削減やサービス・投資の自由化など21分野にわたり、TPP協定に参加するか否かによって、国民生活のさまざまな分野に大きな影響が考えられることから、政府のTPP協定交渉にあたっては、国民生活へマイナスの影響がないよう国益をかけた交渉に臨んでいただきたいと思っています。
 
 県といたしましては、引き続き全国知事会などと連携をして、TPP協定が地方の経済活動や国民生活に与える影響、講ずべき必要な対策などについて、政府の積極的な情報提供と説明を求めていきたいと考えています。
 
 平成25年4月6日
 
滋賀県知事 嘉田由紀子