論点・視点
北陸新幹線 在来線を守ることが条件!
 
 北陸新幹線の延伸計画で米原ルート案が浮上する中、市民から「莫大な負担の新幹線より在来線を守って」の声が出ています。日本共産党の浅見信夫市議に北陸新幹線問題について聞きました。
 
 北陸新幹線は、長野〜金沢問が2014年度開業に向け工事が進められています。敦賀以西は、小浜ルート・湖西ルート・米原ルートの3案が示されています。
 関西広域連合はこの3月、北陸新幹線(敦賀以西)ルートの検討結果を明らかにしました。そこでは、費用対効果、開業までの期間などにより米原ルート案が有利と判断されています。高速交通体系としての新幹線は必要と思われますが、この米原ルートの延伸案は、次の2つの問題点から市民の理解が得られません。
 
 北陸線を守ることが大前提
 
 第1の問題は、新幹線建設に伴い、在来線はJRから、第三セクターなどに経営分離されることです。これまで経営分離された多くの路線は赤字を抱え、自治体の負担を重くし、存続が危ぶまれています。北陸新幹線米原ルートの場合も、北陸線は沿線自治体が運営主体となる第三セクターが経営することになり、長浜市の負担が重くなることは明らかです。これまで長浜市は、多額の費用を投じて北陸線の直流化を実現し、地域をあげて利用促進と地域振興を図っています。北陸新幹線問題を考える場合、地域住民の交通手段・北陸線を守ることが大前提となります。
 
 莫大な財政負担
 
 第2は、財政負担の問題です。北陸新幹線米原ルートの建設費はおおよそ5,000億円を超えると試算されています。その3分の1が地方負担で、起債に対する交付税措置を行ったとしても、県と市の実質負担は約800億円〜1000億円となります。自治体の財政が危機的な状況で、県や市が住民サービスを切り捨て、住民負担増を強いている中、地元に莫大な負担のかかるプロジェクトは容認できるものではありません。
 今、市民が求めているのは、鉄道や路線バスなどの地域公共交通を充実し、ネットワーク化を行うことです。市民のくらしや地域公共交通を無視した新幹線であるなら必要はありません。
長浜民報ひきやま(2013年3月31日 1218号から)