知事の党首兼務、各党の思惑は 12月県議会で 2012年12月20日
嘉田知事が総選挙公示直前に日本未来の党を立ち上げ、その代表となったことで、12月県議会では、自民党から民主党系の県民ネット、知事与党を自称していた対話の会、公明党、橋下大阪市長が代表代行の日本維新の会を総選挙で支持したみんなの党、無所属議員もも含めて「知事と党首の兼職はけしからん。どちらかをやめろ」の大合唱となっています。20日の時点で、嘉田知事は「軸足は滋賀県、びわ湖にあり、二足のわらじをはき続けるつもりだが、県民の声、昨日来の県議会での声を聞いて、どうするか熟慮していきたい」と答弁で述べました。
質問をした自民党県議は、未来の党が「原発の再稼働に反対」「憲法改正を考える時期ではない」と公約を掲げたことについて、「地球温暖化防止のためのCO2削減に矛盾している」とか、「憲法前文などの精神からいって、知事と党首の二足のわらじは、憲法を改正しなければできないので矛盾だ」などと責め立てました。
また別の県議は、消費税増税問題で、知事のこれまでの発言が消費税増税賛成だったことと、未来の党の「脱増税」公約の矛盾を、また別の県議は原発の使用済み核燃料の中間処理施設について、未来の党が「全国に必要だ」としたことを取り上げ、「滋賀に施設をと求められたら、党首としては容認することになるが、知事として矛盾することはないか」とも、迫りました。
県議会で未来の党の党首としての見解を求めつつ、知事としてはどうなのかと聞くやり方も、「党を立ち上げて、すべての政党に迷惑をかけたのだから、今後は県の要望を国に伝える役割で、国会議員の協力は得られない。だから知事としてもやっていけない」と迫るやり方も、ぜひ選挙中に聞いておきたかったことばかりです。
知事がこれまで県議会で述べてきたことと、未来の党の公約に矛盾があることははっきりしています。しかし県議会で知事辞職か、党首をやめるか、と迫るねらいは、未来の党の公約の破棄を迫る狙いがあることが露骨です。
知事は「熟慮とは何か」を問われ、「熟慮するということは熟慮するということ」と明確にはしませんでしたが、「党の関係者と相談している」とも述べました。
知事は、新党立ち上げ後の11月26日〜12月17日までにファクスや電子メールで寄せられた「知事への手紙」740件のうち、兼務を批判する内容は174件(24%)、応援する内容203件(27%)と、ほぼ拮抗していたとも答弁しました。