■モニタリングポストの竹生島設置を要求する(2012年7月23日)
左の図は、文部科学省の予算配分を受けて滋賀県が予定しているモニタリングポストの配置予定です。
モニタリングポストは、原発からの放射線量を測定する施設です。
①~⑧は平常時の空中放射線量をはかる「水準ポスト」で、大津市にある既設のポスト(◎)とほぼ同じ、低線量域の放射線を測定します。
●は原発からの放射線を監視する、低線量域から高線量域の放射線を測定するものです。
県は、びわ湖の放射能汚染を問題として、竹生島への設置をかねてから求めていました。
しかし、文部科学省は、「びわ湖をとり囲む9か所の水準ポストがある。びわ湖への放射線量を測定するのに十分」だといって、竹生島への設置の必要性はないといい、この説明で「県も納得をした」のだと説明しています。
しかし県は6月県議会の防災特別委員会でこの問題の経緯を報告し、「何度も竹生島への設置を求めたが、国は監視ポスト(●)は、原発から30キロ圏内にという基準を出してきた。県としては引き続き竹生島への設置を要望していきたい」とのべています。
昨年の時点で、文部科学省はモニタリングポストの配分を、湖沼面積などを除外した「可住面積」にもとづいて行うようにしていました(※資料参照)。
このことについて、日本共産党は、「国がびわ湖の重要性を認識せず、頭からモニタリングポスト配置を考えていない証拠だ」と政府交渉で指摘しました。
その場では文部科学省も、「おっしゃる通りだ。県から申請があれば、別枠で検討する」と答えていたのです。
ところが県が申請すると、国は新たな基準を出して、びわ湖への設置を拒否したのだと言わざるを得ません。
モニタリングポストは、それ自身、放射能を防御するものではなく、原発をなくすことこそが重要です。
しかし、政府が大飯原発の再稼働を強行し、近畿1400万人の命の水源を守ることを、まったく考慮しない態度のままであることは、許せないことです。
嘉田知事は、大飯原発の再稼働を容認したさいに、「暫定的な安全基準だから、稼働も限定的であるべきだ」と政府に主張しました。
これは暫定的安全基準でも、限定的稼働であればよいとする、再稼働容認の主張です。
しかし国の暫定的安全基準を批判するのであれば、「びわ湖を預かる」滋賀県は、モニタリングポストの問題でも、文部科学省の考えに同意と見られるような対応をすべきではありません。
びわ湖は滋賀県の面積の6分の1もあります。ここを放射線監視区域の空白域とすることも許せません。
日本共産党は、引き続き、国や県の対応をただしていきます。
資料
原発の危険から、びわ湖やびわ湖の源流を守ることは国の頭にはなかった(赤の下線部)
文部科学省の全国に250カ所放射線観測モニタリングポストを設置する計画は、林野面積(びわ湖の源流にあたる)も、湖沼面積(びわ湖そのもの)も、考慮の外だった。
日本共産党が交渉し、文部科学省も、「びわ湖は近畿1400万人のいのちの水源だ」という共産党の指摘に、「もっともだ」と述べ、「びわ湖など水中での放射性物質の動向は、これから専門家も探して検討する」と約束。「県が予算要求すれば、びわ湖のモニタリングポスト設置を認める」と答えざるをえませんでした。