■消費税増税やめさせ社会保障も財政再建も 日本共産党の「提言」紹介(2012年4月2日)
 
 民主党野田政権が、「社会保障と税の一体改革」だといって、消費税を10%に増税しようとしていることをご存じでしょうか。2014年に8%、2015年に10%という増税法案を構えています。しかし、税金の無駄遣いはそのままで、社会保障をさらに悪くし消費税を増税するやり方は、景気を冷え込ませ、国民の暮らしも、国の財政も壊します。消費税増税反対の大きな声を上げていきましょう。
 
 民主党は公約で「無駄遣いの典型だ」といっていた群馬県の八ツ場(やんば)ダムなど、ムダな大型開発を次つぎと復活させています。民主党や自民党などが税金320億円を山分けする政党助成金もそのままです。こんな無駄遣いをそのままで、国民には消費税増税、大企業や大金持ちには、逆に年1兆7000億円も減税するというのです。
 
 社会福祉は、年金や子ども手当を削り、医療費の窓口負担も増えて、国民は2兆7000億円の負担増です。これに年金支給年齢が68歳、70歳に引き上げられると10兆円がむしり取られます。
 
 消費税は16年前に3%から5%に引き上げられました。そのとき医療費値上げなどとあわせ国民に9兆円の負担増でした。その結果、回復しかけていた景気は一気に悪くなり、国の財政破たんもいっそうひどくなりました。今回の消費税10%増税と社会保障の改悪で国民の負担は20兆円も増えます。雇用破壊で貧困と格差が広がり、地域の経済も冷え切っているときに、こんなことをすれば、日本の経済はどん底に落ちてしまいます。
 
 消費税は弱いものいじめの税金です。震災被災者の買い物にも10%。売り上げにかかる消費税は、商売をしている人にはもうけがなくとも、預金や生命保険を取り崩させても取り立てる、まさに血税です。こんなやり方は、国を滅ぼします。
 
 日本共産党は、消費税の増税をせず、社会保障を再生・充実させ、財政も建て直す提案をしています。「消費税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開の提言」です。日本共産党はこの事業を、2段階ですすめます。歴代の自民、民主の政権が、あまりにも社会保障を壊してきたため、一気にはできませんが、政治がその気になれば、国地方の財政を立て直し、世界の先進水準の社会保障を実現することができます。
 
 第1段階では、社会保障を段階的に元に戻します。医療費は子ども無料、現役世代は2割、高齢者は1割に戻します。年金はだれでも3万3000円定額支給するようにし、制度の空洞化を防ぎます。特別養護老人ホームや保育所の待機者をなくします。これには年9兆円が必要です。大型開発や軍事費のムダをなくし、お金持ちや大企業にまけている不公平な税金制度を改めます。また異常な円高を引き起こし、日本の経済をめちゃくちゃにしている「投機マネー」に課税します。これで12兆円から15兆円の財源が生まれます。今から取り組めば2010年代末までに実現できます。
 
 第2段階で社会保障をヨーロッパなど社会保障の先進並みに拡充します。最低保障年金制度、医療費や介護利用料の無料化、世界一高い学費の無償をめざします。これには18兆円から21兆円が必要です。財源は所得税を累進的に1・5%から15%上乗せする税制改革を実施します。民主的経済改革と社会保障の拡充を一体ですすめ、能力に応じて税金を負担する「応能負担」を原則にする民主的税制改革です。税金を負担できる力に応じて、国民みんなが支える税制で、先進の社会保障を日本で実現しようという夢のある提案です。
 
 民主党も自民党も、消費税大増税と社会保障の大改悪で違いがありません。日本共産党は消費税増税にきっぱり反対し、ムダを一掃する財政改革、大金持ちと大企業に応分の負担を求める税制改革、ルールある経済社会をめざす経済改革の3つの改革を一体的に、段階的にすすめます。日本の経済をどん底に突き落とす消費税の大増税はやめて、増税するなら富裕層、大企業の特別の優遇を止めることから始めましょう。みなさんのご支援をよろしくお願いします。