■高島市議会の福井原発再稼働に反対する意見書(2012年3月28日)全会一致
 
 福島第一原子力発電所事故の原因究明等がされていない中での、福井県に立地する定期検査中等の原子力発電所の再稼働を認めないことを求める意見書
 
 平成23年3月11日に発生した東日本大震災と、これに伴う東京電力福島第一原子力発電所における放射性物質の大量放出事故は未曾有の大災害となった。今後、このような原子力発電所事故を決して発生させてはならない。
 わが国は大地震の頻発する地震大国であり、大地震発生の危険性は、太平洋岸、日本海側、内陸部のいずれにおいても変わりなく、若狭湾周辺地域も例外ではない。高島市は、福井県に立地する原子力発電所から僅か20〜50kmの距離にあり、UPZ30km圏内に約7000人、PPA50km圏内には全市民が入る。万が一今回と同様の事故が発生すれば、”びわ湖源流の郷”である当市の被害は甚大なものとなるとともに、近畿1400万人の水源である琵琶湖の水質や周辺環境への影響も必至である。
 こうしたことから、現在本市においては、地域防災計画の見直しを進めるとともに、定期検査中の原発の運転再開の事前協議等の項目を含んだ安全協定の締結について、県や周辺自治体とともに電力事業者と協議を進めているところである。
 こうした中、定期検査中の関西電力大飯原子力発電所3号機および4号機については、事業者が実施したストレステストの結果を原子力安全・保安院は妥当と判断し、このほど原子力安全委員会においてもその安全性を認めたことで、再稼働に向けた動きが加速しており、市民には不安と疑念が広がってきている。
 よって、政府におかれては、福島第一原子力発電所事故の実態と原因究明が明らかにされ、福井県に立地する原子力発電所の万全の安全対策が確保されるとともに、周辺自治体の理解が得られるまでは、定期検査中の原子力発電所の再稼働は認めないよう強く求める。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
 平成24年3月28日         高島市議会議長 駒井芳彦
提出先:内閣総理大臣、経済産業大臣、内閣府特命担当大臣(原子力行政)、
    衆議院議長、参議院議長