■長浜市議会のTPP参加反対意見書(2012年3月22日)

 長浜市議会は22日、TPP交渉に反対し、交渉参加方針を撤回するよう政府に求める意見書を全会一致で可決しました。以下全文を紹介します。


環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に関する意見書

 昨年11月11日に野田総理大臣は記者会見において、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加に向け関係国との協議に入るとの方針を表明した。この関係国との協議とは、日本の交渉参加の前提としてアメリカが求めている事前協議と同じであり、事実上の交渉参加表明である。

 TPP交渉への参加は、農林水産業をはじめ、医療・社会福祉・金融・保険等のサービスの自由化、食品・医療品認可の安全基準等の国内制度の規制緩和や撤廃など、国民の生命に直結し、生活に計り知れない影響を与えるものである。

 しかしながら、国民に十分な情報を提示しないばかりか、国内での多くの反対の声を無視し、喫緊の最重要課題である東日本大震災の本格的復興が末だ進まない中での政府の交渉参加に向けた動きは到底容認できるものではない。

 こうしたわが国の将来にかかわる重要な課題を包含していることに鑑み、TPP交渉への参加問題については、国会において慎重に審議するとともに、国民に対し詳細な情報提供を行い、国民の総意を得ることが必要である。

 よって、国会及び政府におかれては、わが国の国民生活、社会に与える影響を十分考慮し、下記の対応を実施されるよう強く求める。

                   記

1 TPPによる影響を国民に詳細に情報開示することなく、また、国民の総意を得ることができない中で表明したTPP交渉への参加方針は即時に撤回すること。

2 わが国の食料安全保障の観点から必要な関税による国産農畜産品の保護や誰もが等しく医療を受けるための国民皆保険制度など、国民の生命に直結する重要な制度・仕組みを堅持する方針を明確にすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年3月22日

 内閣総理大臣 様 ほか

                 長浜市議会議長