■坪田さんの11.28関西電力交渉 (日本共産党近畿ブロック・福井、原発交渉第2弾)の報告(2011年11月29日)
坪田五久男党県常任委員の報告
原発交渉第2弾として、関西電力本社と大阪の本社で交渉、坪田が参加しました。
参加した吉井衆院議員が冒頭のあいさつでチェルノブイリに行ってきたことを報告。25年たった現在も30㌔圏内は居住禁止。晩発性障害も深刻で16万人が認定されていること。同じ原発を持っている国でもアメリカなどは地震の少ない地域にあり、そのアメリカでも活断層法という法律があり、活断層から5キロ圏内の原発立地は禁止されていることが紹介されました。断層から1キロ以内にもんじゅ、美浜、敦賀と原発をかかえる日本の原発立地は本当に異常であり、危険です。
関西電力は福島原発の事故を「深刻に、真摯に受け止めている。」「同じ事故を繰り返してはならない。」と言いながら、福島事故の原因は津波による全電源喪失が原因であり、そのための安全対策をとっており、福井の原発は「安全」と言い切りました。
福島原発事故の検証は途上です。地震による第一撃(破損)も言われているのに、津波だけが原因だとするのはおかしいと指摘されても、「福島原発の知見と並行して対策をすすめており、新たな知見が出てくれば対応したい。」と言うだけ。プルサーマルについては「エネルギー自給率が低く、資源の少ない我が国において大事。大前提は安全。地元の理解を得たい」、老朽化原発についても「30年をこえるものについては国の高経年化技術評価をうけ、設備も最新のものに取り替えている。安全上問題ないとして申請している。」などの回答。
ほんとうに「同じ事故を起こさない」ためには原発からの撤退以外にないのに、原発事故の受け止めは口だけかと言いたくなりました。避難を余儀なくされた人、子どもの放射能被害に心を痛めている保護者などに心を寄せない関電の姿勢、ストレステストという新たな「安全神話」をふりまき原発を再稼働しようとしていることに怒りがこみ上げました。
私は、石橋神戸大名誉教授(地震学)が日本列島が地震活動期に入り、危険な原発は順次縮小すべき、一番目は浜岡、次が若狭の原発群と指摘していることを紹介し、津波対策だけで安全というのはおかしいと追及。「最強の地震動への対策をとっている」との回答に対しても、石橋教授が大飯原発のストレステストで報告された地震動をこえる地震が起こる可能性に言及、「再稼働は危険きわまりない」と指摘していることも紹介し、再稼働すべきでないと求めました。
安全協定の問題で関電は、「4市の要望は頂戴している。真摯に受け止め協議している。」と答えました。私は、滋賀県の第3回防災計画見直し検討委員会で出された放射能汚染のシミュレーション図を示し(写真)、「19市町中、18市町に被害が及ぶことが報じられ県民は心配している」「4市が要望書を出したのは4月で回答は9月、中身は『検討する』、先日11月24日に4市と協議をしたがここでも『検討する』、あまりにも遅い」と安全協定の締結を強く求めました。京都からも続いて、「福井県並の安全協定を早急に結ぶべきだ」との声があり、関電も「不安に思われているのはわかる。安全協定の締結は当然だと思っている。」と答えました。
短時間の交渉でしたが、原発ゼロの国民的合意をつくり、こうした原発にしがみつく勢力を包囲しなければならないと強く思いました。