■治水策工夫でダム不要 県営ダム見なおせ(2002年12月12日)
日本共産党の森茂樹県議は12日の県議会一般質問で、県が計画している北川第1、第2ダム(朽木村)と来栖ダム(多賀町)について、ダムをやめ、必要な河川改修をすれば、428億円以上の節約が可能だという推計を示し、見直しを要求しました。
森県議の指摘は、国土研究会の学者・研究者に依頼した調査の中間まとめをもとに示したもの。関西電力金居原揚水発電所の中止、淀川水系流域委員会が「新規ダムは原則抑制」を提言しているなかで、県営ダムも根本的な見直しが求められると指摘しました。
森県議の指摘の概要は次の通りです。
▽北川ダムについて
①計画を100年確率で計算しているのは過大。建設省の「河川砂防技術基準」に照らせば10~50年確率以下、安曇川の河川改修は30年確率でよい
②過大な基本高水量を見直せば、河川改修工事費はダム建設の406億円より44億円安い
③治水安全度をD級とすれば、ダムより256億円も安くできる
④現にある二線堤やかすみ堤、水害防備林を生かすべきなのに計画に組み込まれていない
⑤ダム建設中止を求める安曇川水系漁業協同組合の意見書に回答すべき
▽来栖ダムについて
①芹川の河川改修工事は50年確率なのに、ダムは100年確率で過大
②基本高水量も過大で是正すれば、ダムあり改修283億円から172億円を節減できる
③竹やぶや未利用地を遊水地、ビオトープとして活用すれば河川改修費はさらに節減できる
④ダムサイト直上流は地すべり地形で、ダム湖に入れるのは危険