■内湖復元へびわ・湖北町の干拓地で湛水調査(2001年12月28日)
戦後、琵琶湖の周辺で次つぎと干拓され埋め立てられてきた内湖の復元も視野に入れ、生態系や水質浄化機能の調査が滋賀県びわ町と湖北町にわたる早崎干拓地ですすめられています。
内湖は琵琶湖に水路でつながった小さな湖沼。戦後、多くが干拓されて失われるとともに琵琶湖の水質悪化がすすみ、その役割が評価されてきました。
今回の試験は、内湖の水質浄化機能を探るため、約17haの水田に水を入れ、水質浄化機能を調べる水質調査や、ビオトープ(生物の生息空間)の機能の調査などを、当面、1年かけて調べます。
水没した水田は、コメ増産を目標に干拓された農地。しかしその後、減反強制、米価暴落の農政に加え、排水管理の重い負担も入植者に負わせてきました。また県はリゾート開発重点地区に指定して、ゴルフ場が計画されましたが、住民の強い反対で中止されました。
今回の調査には、地権者の多くから、「美しい琵琶湖を取り戻すために、自然に返そう」と賛同が寄せられました。
各地で自然破壊のムダな公共事業が問題となっているなかで、いったん失った自然を取り戻すことができるかどうか、注目されます。琵琶湖での調査は、近江八幡市の津田内湖干拓地でもおこなわれています。