■「びわこ空港」 知事の「立ち止まって考える」表明について(2000年11月20日)
日本共産党滋賀県議団(森茂樹団長)は20日、国松善次知事が「びわこ空港は立ち止まって考えたい」と「総合的判断」を表明したことについて、次のように声明しました。
本日、びわこ空港交通対策特別委員会において、国松知事がびわこ空港についての総合的判断を示しました。
それによると、「びわこ空港の必要性はむしろ高まっており、空港計画をすすめるのが県の責務」としながら、「アセス実施についてはみあわせ、今後のとりくみはしばらく立ち止まって、県民とともに考え確かな方策を考えたい」としました。
質疑のなかでは、第七次空港整備七箇年計画(七空整)内に設置許可申請はだせない、本年度および来年度もアセス関係の予算は削る、県の空港現地事務所からは撤退するとしました。
今回の知事の「総合的判断」は、ムダなびわこ空港はいらないという県民世論の高まりと、蒲生町綺田区・日野町野出区など地権者集落の道理ある反対などにおいつめられた結果です。
同時に知事の総合的判断には、県民世論に反して十二年間にわたってすすめてきた県の重要政策がゆきづまった責任への真摯(しんし)な反省も、地元地権者集落にこの間かけてきた区の自治権侵害や、人権無視に等しい強硬な策動への謝罪も何もありません。こうした県政を県民本位に切り換えることが求められています。
わが党は、空港候補地の決定以来、一貫して「交通手段の近代化としての高速交通そのものは認めるが、ことびわこ空港に関しては立地条件、県の財政状況、自然環境などの面から現時点ではいらないし、白紙撤回するべきだ」と主張してきました。
しかし、知事および自民党・県民ネットなどの知事与党は、依然として「びわこ空港の必要性は明確」との態度を崩していません。
今回の事態は、ムダなびわこ空港はやめよの県民世論をいっそう大きくして、文字どおり白紙撤回を実現するためにより大きな県民運動が必要であることを示しています。
わが党はそのために全力をつくす決意です。
びわこ空港をめぐる動き
1973.3 県総合発展計画に空港盛り込む
1987.9 候補地に大津田上、甲賀、日野・蒲生、各地で住民が反対運動
1988.11 臨時県議会で日野・蒲生地区を決定
1990.8 県がびわこ空港基本計画策定
1991.11 第6次空港整備計画で予定事業採択
12 日野・蒲生両町住民が空港反対大集会、反対行動ひろがる
1994.3 日本共産党県委「白紙撤回」の政策提言
1995.6 空港建設反対協と町議が日本共産党と運輸省陳情、共同強まる
1996.12 第7次空港整備計画で継続事業と決定
1997.2 県職組の県職員アンケート「85%が空港に疑問」
7 県、財政難から空港関連開発計画を縮小
12 野出区が住民投票で「空港建設に不同意」
稲葉知事「アセス着手」を表明
1998.1 県民249人がアセス差し止め住民監査請求
2 県がアセス地元説明会を開始、戸別訪問強行
4 黒野運輸事務次官が「地方空港抑制・見直し」発言
県民154人がアセス差し止め提訴
9 大津地裁、県の空港懇談食料費を違法支出と判決
10 空港建設の是非を問う住民投票条例直接請求・県民の会が発足
11 県が県民公聴会を開始、賛否両論が続出
1999.2 社民党県連合が「凍結・見直し」方針
直接請求12万3814人、住民投票条例を請求
3 黒野運輸事務次官が「びわこ空港の必要性は疑問」と発言
県議会が条例否決、日本共産党が採択主張、5県議が退席
5 びわこ空港はいらない!県民の会が発足
2000.1 県が蒲生町綺田区へ戸別訪問、7月までに550回にのぼる
3 民主党県連「凍結」方針を決定
4 いらない会「経済アセス」に公開質問状、県は回答なし
8 野出区「三者会議条件にアセス一任」を回答
国松知事、綺田区の対応見極めを町長に要請、推進派が攻勢
9 綺田区「アセス不同意」を回答
いらない会が地元住民と激励・交流集会
11 綺田区「空港とりまとめ返上」を通告
国松知事「立ち止まって考える」と空港予算削減