■「原発は安全か」高月町でトーク集会(1999年11月27日)

 滋賀県高月町で27日夜、「原発はほんとうに安全なのか」トーク集会が開かれました。日本共産党県委員会が開いたもので、原子力専門家で東海村JCO臨界事故の直後に現場にかけつけた吉井英勝衆院議員が報告しました。敦賀、美浜など「原発銀座」と隣あう県北部の市町などから、住民、自治体幹部、議員など約130人が参加しました。

 吉井氏は、臨界事故現場での体験を語り、政府は大量の被ばく者をだした反省も謝罪もないと批判。事故の備えのないJCO、それを安全だとした政府、安全委員会の責任はきわめて大きいとのべ、その根本には「原子力は安全」という思い込み「安全神話」があると強調しました。

 そのうえで吉井氏は、安全審査基準の抜本的な強化、過酷事故を想定した対策、プルサーマル計画中止などを緊急課題としてあげ、原発に依存しない新しいエネルギー政策への転換を訴えました。

 報告のあと参加者から吹き出すように意見や質問が出されました。「隣り合わせの敦賀原発がいちばん心配」「原発排水も危険では」などのほか、「不安から一歩踏み出したい。町に放射能対策を求める請願を出したい」「原発設置者と自治体の協定は、県内自治体も結ぶべきだ」という声も出ました。

 吉井氏は「軍事利用からはじまり、わずか60年しか歴史のない原子力は未成熟な技術」と指摘。原発がエネルギーの1/3を占めているゆがみ、無責任な原子力政策のもとで、まじめに原子力を研究する研究者が育っていない問題も指摘して、日本共産党の提案を説明。「原発反対などさまざまな立場の人たちともいっしょに共同していきます」とのべました。