■「びわこ空港」で県が初めて「公聴会」(1998年11月29日)
「びわこ空港に関する県民公聴会」が29日、滋賀県石部町の文化ホールで開かれ、甲賀郡内の住民10人が意見をのべました。「空港に賛成」という人も、「経済不安のなかで、1580億円の執行は将来に何をもたらすか不安」という声がだされました。
公聴会は、県が空港推進のために県内7カ所で計画したもので、この日が最初の開催。各自治体が町のバスで送迎するなど、280人が傍聴しました。
空港反対の意見をのべた石部町の大久保良子さんは「県民の暮らしを守るために空港計画の撤退を。マスコミ調査でも不必要の声が多数。東京便のない空港は赤字が必至。自治体ほんらいの役割を果たしてほしい」と主張しました。
このほか「空港予定地は琵琶湖に直結する美しい川がある。騒音も避けられない」「圧力にめげず反対してきた人に敬意を表する。公聴会の意見を聞きっぱなしにしないよう。石部は福祉の先達が夢を描いた町。滋賀が発信すべきは福祉への熱意と勇気だ」「空港より、不況で自殺するほど苦しんでいる人を救ってほしい。無認可保育所の苦しさも知って」などの意見が出されました。
空港賛成の立場で発言した人たちからも、「反対の人たちにも理解を得るのが必要条件」「多くの財源がいる、環境問題もある。日野、蒲生だけの問題ではない」「知事が県民が主人公の県政運営と公約したことに相反しないよう望む。住民投票運動は住民自治の発展を求めているものだ。不安を払拭できる情報公開ができていない。その現実が問題になっているのだと思う」などの注文をつけました。
国松善次知事は「滋賀の将来を考えると空港は必要。出された意見を参考にさせていただき、よい空港ができるようにしたい」と、「びわこ空港」建設推進を前提にしたあいさつをしました。