■無償譲渡した琵琶湖ホテル跡地を巨額で購入するのか(1998年2月13日)
滋賀県大津市柳が崎の琵琶湖ホテル移転跡地問題で「滋賀民主県政の会」と「市民の手で民主市政をつくる会」が13日、県と大津市に「県民の財産である建物・土地を無償貸与・譲渡してきた経過からみて、50億円とも100億円ともいわれる高い価格で建物・跡地を購入することは許されない」と申し入れました。
申し入れには、民主県政の会の知事候補で代表委員の谷本よしひろ氏、民主市政の会の田村六郎代表委員など会参加団体代表、吉原稔県議、森茂樹県議など日本共産党県市議団が参加。「市には購入目的がなく、一般会計の2・5倍の借金をかかえ、保育園の待機者が300人、老人ホーム待機者が100人を超すなかで、不当な購入は許されない」と求めました。
申し入れに、県は跡地の買い取りについて「まったく検討していない」としましたが、市は琵琶湖ホテルから約50億円程度で約2万m2(ホテル敷地の約7割)を売りたいという申し入れがあったとしたうえで、「株主でもあり、県とも十分協議するのは当然だが、きびしい財政事情のなかで、買い取るかどうか結論を出しているわけではない」と答えました。
琵琶湖ホテルは1934年、当時の政府方針に沿って外国人むけホテルとして県や大津市も出資し、当時としてはめずらしい第三セクター方式で設立。建築費などは国からの借金であて、県がホテルからの地代、家賃を償還に充当。完済後は土地、建物をホテルに無償譲渡する方式。その後、県などから株式を取得した京阪電鉄が筆頭株主として経営しています。
設立当時、県は大津市に土地の買収と県への無償貸与を求め、市は市民から農地など約1万2000m2買収して県に無償譲渡。県はホテルに土地・建物を無償貸与し、その後、京阪電鉄が筆頭株主となりました。
その琵琶湖ホテルが市内の浜大津地区に移転するため、跡地が問題になっています。市は株式を約6%保有していますが、無配当です。ホテル側は、運営に重大な変更がある時は協議するとしていましたが、跡地の買収を正式に県、市に求めたのは、新ホテルがほぼ完成した昨年末になってからです。