■県職員の85%が「びわこ空港」計画、やり方に疑問(1997年2月19日)
滋賀の県職員の大多数は稲葉県政が推進する大型プロジェクトに疑問や批判を持っていることが県職員組合(辻義則委員長)が十九日までにまとめた調査でわかりました。琵琶湖総合開発を「有意義な事業」としたのは5%にすぎず、半数以上が問題点ありと指摘。「びわこ空港」を「積極的に進めるべき」は、わずか8%、「滋賀に必要か疑問」など85%が計画に疑問をもっています。
「県政の重要施策と仕事に関するアンケート」は、全職員約4000人に配布し、管理職をふくむ1006人が回答。回答によると、県政は「十分な行政がなされている」3%、「及第点をとれる」33%、「県民要求から見て不十分な点が多い」46%でした。
県が重要施策としてきた事業で、琵琶湖総合開発(琵琶総)では、「有意義であったが無駄・問題点もあった」39%、「無駄・問題点の方が多かった」15%と、半数以上が問題を感じています。
琵琶総は3月で終了、これから本格化する琵琶湖をダムのように水位調節する問題では、計画どおりマイナス1・5mまで「下げてもよい」は5%、「やむを得ない場合を除き下げないよう取水制限、節水などの努力を」53%、「国、下流をふくめ見直しを働きかけるべき」24%と、なんらかの見直しが必要という人が8割近くもありました。
「びわこ空港」計画にはさらに疑問が強く、「滋賀に必要かどうか疑問」が44%、「空港より他の交通機関の整備が大切」23%、「強引に進めるべきでない」18%と、85%の職員が明確に県政を批判しました。
さらに「県民利益に反する仕事にどう対応するか」という設問では、「県民利益を守る立場で努力」61%、「上司、職場全体の雰囲気に従う」11%、「県民利益に反するか考えない」はわずか2%。
県職組はさらに「民主的な職場」めざして結果の分析をすすめます。琵琶総、「びわこ空港」はともに県民の批判の強い事業。結果は県民世論を敏感に反映しているとともに、「県民のためによい仕事がしたい」という県職員の願いが強く示されています。