■「解同」の利権あさり排し住民主人公のまちづくり」同和問題シンポ(1996年12月7日)

 日本共産党滋賀県委員会が主催して6日、「部落問題の解決をめざす同和問題を考えるシンポジウム」が近江八幡市で開かれました。「同和」でゆがんだ町を住民が主人公の明るい町にたてなおした兵庫県南光町の山田兼三・日本共産党町長がパネラーとして参加し、また同和事業完了の動きと逆流がせめぎあう県内状況を反映して、会場いっぱいの230人が参加しました。

 山田町長は、町長に当選する以前の南光町で「解同(部落解放同盟)」の利権あさりの横行でまともな行政がされず、住民のねがいは踏みにじられ、「逆差別」教育の網の目がつくられるなかで住民は自由にものもいえなかったなど、くわしく説明しました。

 また当選後は、「解同」の利権あさりを断ち切り、住民の自由な交流をすすめて、全国に誇る住民施策を前進させたことをのべ、「たいせつなことは、憲法の原則を暮らしに具体化すること。『解同』の運動は端的にいって利権運動。真の部落解放から見ても許しがたい。幅ひろい共闘を組んでいく必要があります」と強調しました。

 このほか、森茂樹県議は「同和行政、同和教育など『同和』の冠をつけた特別対策を廃止し、部落問題の解決をめざす政策」を説明。高岡光治・日野中教諭は、住民が同和事業完了を宣言した日野町で育った体験と部落問題解決への展望をのべました。

 滋賀自治労連の辻義則委員長は、「県解放県民センター」職員がみずから「センターは役割を終えた」と評価して社会教育施設への再生を提案していることなどを紹介。全解連県連の鈴木勉市書記長は、格差是正の同和特別対策は、事業がすめば一般施策に移行するのが当然とのべました。

 会場からは、「解同」の利権あさりの実態を告発する発言や、「部落の出身だ」という人からは、「これ以上、逆差別を残してほしくない。人間と人間のまともな関係のなかに生きていきたい」と訴え。「人権条例」が提案されている近江八幡市の「同和条例に反対する市民の会」の木田昌志事務局長は、「こんなに多くの人が参加されたことに力づけられ、勇気がわきました」と話していました。