■深刻な介護問題「ほんとうに役立つ制度」を(1996年9月16日)

 老人の日の15日、滋賀県大津市の市民文化会館で日本共産党県委員会などがよびかけた「介護問題を考えるシンポジウム」に80人を越える市民が参加して、活発な意見をかわしました。

 パネラーの辻第一前衆院議員(衆院比例近畿ブロック候補)は、政党としてはじめての介護保険制度への日本共産党の提言を「『なんでも保険主義』や『なんでも国の負担』の立場をとらず、国民にほんとうに役立つ制度を探求してきました」と紹介。福祉と組み合わせた介護保険制度が重要な選択肢になると説明、厚生省案を「保険あって介護なし」と批判しました。

 大津市社会福祉協議会理事の山口浩次氏は、介護を必要としている高齢者の急増、介護が女性の肩に重くのしかかっている市内の現状を紹介。「介護問題は社会的な問題です。地域の横のつながりをつくる課題もはっきりしたのでは」とよびかけました。

 介護家族の立場から発言した是金昭三氏は、「母親が突然倒れて入院。半身不随なのに退院してほしいといわれ、ベッドや車いす、おしめの洗濯機などに何10万円。勤めていて介護はとてもできないが、老人ホーム入所で月10数万円。声をあげていくよりありません」と訴えました。

 市内の民主診療所医師の東昌子さんは、医療制度の改悪でお年よりが病院から追い出され、在宅の人の症状も重くなっていると訴え。「政府は介護保険で医療制度、社会保険制度を総改悪しようとしています」と警告しました。

 参加者からも発言が続き、「シンポジウムは本当によかった。多くの人に知らせて、日本共産党におおいにがんばってほしい」など、日本共産党への要望や期待もだされました。辻氏は「福祉の制度をしっかり守って介護の制度を実現すること、ゼネコン国家的発想の政治を変えて福祉大国の日本をめざしてがんばります」と結びました。