■いじめシンポ ゆがんだ社会と政治から子どもを守ろう(1996年9月11日)

 日本共産党の「『いじめ』不登校から子どもと教育を見つめるシンポジウム」が9日夜、滋賀県大津市で開かれました。

 中学三年の女の子がいじめで拒食症におちいったと涙ながらに訴える母親や、「子どもが不登校寸前」という父親など深刻な実態とともに、父母と教職員が教育を語り合う「参の会」の持田裕会長が「教育を語るPTAづくり」をよびかけるなど、熱心な発言が続きました。

 「子どもたちの代弁をしたい」と訴えたパネラーの小学教師・亀苔丈夫さんは「子どもたちは毎日、強いストレスを受け、親にも教師にも、遊んでほしい、やさしくしてほしいと思っています」と訴え。

 中学教師の木戸修さんは文部省研究指定でカウンセラーが配置されたものの、来年からはなくなる「研究」の不徹底を指摘しました。

 高教組の夏原常明書記次長は、いじめ体験のある生徒が6割、「学校をやめたいと思った」生徒も4割という実態を報告しました。

 日本共産党中央文教委員会責任者の石井いく子さん(衆院比例近畿ブロック候補)もパネラーとして発言。「いじめや不登校は、文部省がすすめている競争と管理主義の教育、社会のゆがみが子どもの世界に持ち込まれているもの」だと指摘しました。

 また、この政治に「オール与党」として加わってきた政党がまったく発言できないなかで、日本共産党は、子どもが自殺にまでおいつめられている問題として、緊急提言を発表。勇気をもって語りはじめた被害者や、断ち切られた親と学校の信頼関係をとりもどそうとする世論と運動が発展し、政治を動かそうとしていると訴え、激励しました。