■「浮き城」こわす「巻き堤」工事は中止を(1996年7月15日)

 滋賀県が計画している大津市琵琶湖岸の「浮き城」、県立琵琶湖文化館をとり巻く湖中堤(巻き堤)工事の中止を求めて、吉原稔日本共産党県議など県民9人が15日、「滋賀の環境自治を推進する委員会」(環境自治委員会)に審査を申し立てました。

 申し立ては、「巻き堤」の建設を中止し、風力水車などの方法による水質浄化策をと求めています。

 「巻き堤」は、琵琶湖総合開発による琵琶湖の水位低下への対策として県が水資源開発公団、大津市と協定、市が工事を施行。工事費は2億1000万円。環境自治委員会は、県が7月から施行した環境基本条例で設置され、アセスメントの対象とならない県事業を審査します。

 湖中にせりだす「浮き城」を模した琵琶湖文化館は、周辺の湖岸が「なぎさ公園」や「びわ湖ホール」建設で埋められ、湖岸線の窪みに取り残されます。巻き堤は、この文化館をとり巻いて堤を建設、堤の内側水域の水質悪化を防ぐため、噴水と循環ポンプを設置する計画です。

 申し立ての住民は、「浮き城」のイメージを損なうほか、水の循環で堤内の水質を改善する保障はなく、2億1000万円もかけて水質を悪化させ、ポンプや噴水で水を循環させる計画は「典型的なムダ使い」だとしています。