■「琵琶湖を世界遺産に」というなら環境破壊やめよ(1996年3月7日)

 滋賀県議会で6日、日本共産党の吉原稔県議は、県の「ポスト琵琶総」策で論戦にたち、「琵琶湖を世界遺産に」という知事らの提唱は根拠がなく、琵琶湖総合開発や8つの巨大ダム計画による環境破壊を隠すものだときびしく批判しました。

 吉原県議は、知事や武村正義さきがけ党首らの「琵琶湖を世界遺産にする会」などが「自然と文化の複合遺産に初指定めざす」などと宣伝していることに、「複合遺産などというあいまいな概念は条約にない」と批判しました。

 また世界遺産は国内法による保護が義務づけられるのに、琵琶湖を国定公園から国立公園にするどころか、県は特別地域を普通地域にしてゴルフ場開発を可能にし、ラムサール条約登録では「新たな法規制はしない。琵琶総による水位低下計画は見直さない」と知事が建設省に念書を出してきたと告発しました。

 また、天然記念物のマガモ自然繁殖南限地・山東町三島池をリゾート開発し、希少動物のイヌワシ、クマタカ繁殖地に揚水発電所を建設する計画に同意した県の態度を批判。登録をめざすなら、自然の保全を徹底すべきとのべ、県の「環境基本条例」の実効性を高めるよう提案しました。

 稲葉稔知事は「世界遺産登録が目的ではなく、琵琶湖の価値を知らせる方法だ」と答えました。

 また、吉原県議は、全国初の個人用合併浄化槽義務化条例でも質問。汚水の二次処理をする合併浄化槽は適切に維持管理されなければ効果がないのに、県内の法定検査は59・8%など全国平均すら下回っていると指摘し、「検査体制の強化、下水道使用料金のほぼ2倍となる維持管理費への補助」を求めました。