■琵琶湖増水は「計画の範囲内」と水資源公団(1995年5月25日)

 琵琶湖の増水で田畑や家屋の浸水被害が出ている問題で25日、日本共産党の川内たかし参院選滋賀挙区候補、吉原稔、森茂樹両県議、こくた恵二衆院議員秘書らが大津市の水資源開発公団琵琶湖開発総合管理所を訪れ、今回の洪水対策で聞き取り調査しました。公団は「今回の冠水は計画の範囲内、公団の事業に不備はなかった」とくり返し、琵琶湖総合開発事業(琵琶総)が「洪水防止」を目的にあげていることと実際の違いをうきぼりにしました。

 聞き取りには、254haと県内でもっとも広い田畑が冠水し、5・6haで水稲苗の植え替えが必要となっている彦根市の実情を成宮祐二、手原政良両市議が、また水稲やブドウ園13・8haが冠水したびわ町から橋本健町議が参加。琵琶湖の増水時に排水施設がなかったり、不合理な設計になっていることを指摘し、改善を求めました。

 応対した八鳥佐武郎公団副所長らは、「要望は関係行政機関と協議したい」としました。しかし、「排水施設は30年に1度の確率で琵琶湖がプラス80cmの水位となった時に30ha以上が冠水する地域に設置。琵琶湖の増水時にはひ門を開け、河川の水量が排水施設の能力以下になった時にひ門を閉じ、排水施設を稼動させる」のが琵琶湖総合開発の当初からの計画だとし、「今回も最大限の努力を払った。設備の不備はなかった」としました。