■ダムの安全性、震災対策で吉原稔県議が要求(1995年3月2日)

 滋賀県議会2日、で日本共産党の吉原稔県議は、県の震災対策を震度7対応に強化するとともに、丹生ダムなど巨大ダム計画や第二名神高速道路の超高架構造の見直し、琵琶湖を埋め立て建設する「びわ湖ホール」の計画凍結など、大型プロジェクトを防災の観点から見直すよう求めました。

 吉原県議は、「自然の前には人間は無力」と行政責任を棚上げした稲葉知事の提案説明を批判し、「地震から県民を守る施策を全面的に強化することは県の責務、第一義的に震災対策をすすめると表明せよ」と求めました。

 知事は「震災に対する認識、反省を出発点とする必要性をのべたもの。防災対策は県政の大きな課題」と事実上、提案説明を修正しましたが、「予算案の組み替えは考えない」としました。また開発の危険性の指摘にも、県は「いちがいに危険とはいえない」などとまじめな検討を回避しました。

 巨大ダムの建設は微小地震を誘発するという学説があり、それを裏付ける外国のダム事故や国内での観測事例があるのに、丹生ダムのアセスメントがふれていないという吉原県議の指摘にも、県は「学説は断定されていない」「県のアセスメントでも求めていない。住民に不安があれば事業者が対応すべき」と、県の責任を回避しました。

 吉原県議は、このほか県防災会議が県内の上下水道施設が分散化されていず脆弱だと指摘していること、地震の観測・予知の体制の不備や、県の広報紙「しがナウ」が湖南・甲賀地域をあたかも「活断層空白域」であるかのように掲載したことで具体的な対応を求めました。