■琵琶湖のアオコから毒性物質(1994年12月3日)

 今年の夏に琵琶湖で発生したアオコに毒性物質のミクロシスチンが含まれていたことが滋賀県の調査で判明しました。県は「浄水場の塩素処理で同物質を95五%以上除去しており、問題はないが、総合的な水質保全策の検討を急ぎたい」としています。アオコからの毒性物質検出は霞ヶ浦、諏訪湖などについで全国で4カ所め。

 検出されたミクロシスチンは肝臓障害を起こす物質として知られ、同物質のもっとも毒性の強いものは、実験マウスに0・7マイクロ㌘を投与して肝臓障害をひき起こし、半数が死亡するといわれています。

 検出されたのはアオコの一種、ミクロキスティス・エルギノーサからで、8月23日に長浜港で、9月1日に守山市赤野井湾で発生したもの。ミクロシスチンは長浜港で湖水1㍉㍑に2・3マイクロ㌘、赤野井湾では0・339マイクロ㌘含まれていました。

 琵琶湖でのアオコの発生は、1983年に南湖の大津市湖岸で確認されて以来、南湖ではほぼ毎年、今年は比較的水質がきれいだといわれてきた北湖でも発生し、過去最多ののべ31日の発生が確認されています。