■何のためのダムか 永源寺第2ダム、丹生ダム視察 藤田スミ、寺前巌衆院議員ら(1994年10月29日)

 日本共産党の衆院近畿ブロック比例代表候補を中心にした視察団が29日、滋賀県に計画されている永源寺町の「永源寺第2ダム」、余呉町の「丹生ダム」の建設予定地を視察しました。

 団長の藤田スミ衆院議員、寺前巌衆院議員、吉原稔県議らは、久田元一郎永源寺町長を激励。久田町長は「永源寺第2ダム反対の住民の声は強く、自然を何とか守りたい」と訴えました。

 丹生ダムでは、水資源開発公団の伊藤道明建設所長に「計画を住民にわかりやく説明すべきだ」と申し入れました。

 永源寺第2ダムは、農業用水確保のために農水省が計画。これに農用水の需要計画は過大だと、計画決定の取り消しを求めて住民の行政訴訟がたたかわれています。訴訟団の溝上捨生団長も調査団とともに、町幹部から現状を聞きました。同ダム計画には、住民の過半数が反対署名を寄せ、町議会も計画に異議を申し立て、農水大臣の却下に抗議文を提出してたたかっています。

 原告団の1人、肥夏重治さん(61)は、「この自然は何としても守りたい。共産党ががんばっていてくれてありがたいと思っています」と話していました。

 琵琶湖総合開発で計画された丹生ダムでは、河川の濁りなど漁業被害が心配な高時川漁協の脇阪伝平組合長と懇談。同組合長は、「国側からは何の説明もない。ただ濁さないというだけだ」と話しました。

 寺前議員は、「ダムが何のために必要なのか原点にもどって考える必要がある。いったん計画したら、住民が迷惑をこうむっても、見直ししないという農水省、建設省の姿勢は問題だ」と話しました。