■琵琶湖渇水の原因 琵琶総を見直せ(1994年10月4日)

 滋賀県議会で4日、日本共産党の吉原稔県議は琵琶湖の渇水問題を取り上げ、「少雨だけが原因ではなく、前回の渇水時の倍近い琵琶湖からの放流が続けられた」と指摘し、マイナス1・5㍍まで水位を下げてあらたな水利権・毎秒40㌧を確保する琵琶湖総合開発は見直すべきだと主張。また、日本共産党だけが琵琶湖破壊の琵琶総に反対し、この渇水でも上下流そろって「琵琶湖を守れ」と行動したことを指摘しました。

 稲葉稔知事は、「放流量が多いからといって(国の管理が)意図的なものとは思えない」、「県民生活への直接的影響避けられた」などと無責任な見解を示しました。

 吉原県議は、「アユの産卵がおくれ、漁港の出入りが妨げられ、湖辺の生態系が破壊され、文化財が破壊にさらされ、水鳥の保護をうたうラムサール条約登録の湖が干上がってもそういえるのか」と、県の認識の甘さを指摘して、総合的な環境影響調査を求めました。これには、知事も調査の必要性を認めました。

 吉原氏は、琵琶湖からの放流量を定めた瀬田川洗堰操作規則が、淀川の枚方地点で183㌧の水量を確保するため琵琶湖からとことん水を絞り出す内容になっているため、当面規則を凍結し、国に改定を求めるよう要求しました。

 また、取水制限20%で下流府県の実害がなかったことや、京都大学の研究者によると40㌧を確保しようとすればマイナス1・5㍍までの低下は10年間に4回おき、水質悪化の影響が大きいと結論していることをあげ、過大な水利権量の見直しを重ねて求めました。