■琵琶湖‐150cm目前 滋賀県が異常渇水緊急対策本部(1994年9月13日)
観測史上最悪の水位低下を続けている琵琶湖の渇水で滋賀県は13日、これまでの渇水対策本部を改組して異常渇水緊急対策本部(本部長・稲葉稔知事)を初めて設置しました。
同日の初会議では、近畿地方建設局に淀川中・下流の取水制限強化、下流府県関係者の琵琶湖の実情視察実施などを要請することを決めました。また、緊急対策本部の下に、水位低下対策部会と水質・環境保全対策部会、各研究機関の連絡調整に調査研究班も設置しました。
この日、琵琶湖水位はマイナス121cmと、渇水記録を大きく更新。淀川中・下流は20%の取水制限が実施されています。このまま推移すれば通常の取水ができなくなるマイナス150cmすら、来月上旬に割り込みそうです。湖周辺の被害や湖の生態系破壊の拡大が心配されています。
琵琶湖の水位低下は、6月以来の高温少雨の異常気象に加えて、琵琶湖総合開発の水資源開発工事の完成にともない92年4月から実施された瀬田川洗堰操作規則で、マイナス150㌢を「利用低水位」としたため。近畿地建の対応が遅れ、水位低下が進行しました。操作規則では、「利用低水位」を下回る場合の操作は、「建設大臣が関係府県知事の意見を聞いて決定する」としています。
日本共産党は、琵琶湖の水位、水量、水質は不可分の関係をもち、琵琶湖を「死の湖」としないよう水位低下をくいとめ、安定して給水できる緊急対策と、水位低下を前提にした琵琶湖総合開発の根本的な見直しを求めてきました。