■「琵琶湖の危機対策を早く」渇水で党国会議員(1994年8月24日)
水位がマイナス95㌢に低下し、アオコの大発生などが進行している琵琶湖を日本共産党の寺前巌衆院議員、橋本敦参院議員らが24日、視察し、滋賀県渇水対策本部と近畿地方建設局に、「来月20日にもマイナス1・5㍍に達すると予測される危機的な状況にふさわしい対応を早くとるべきだ」と要請しました。
視察団は、湖底が干上がった湖北町延勝寺沖を歩いて視察したほか、植栽ヨシがほぼ全滅した能登川町湖岸、緑色の絵の具を流したようにアオコが大発生している守山市の赤野井湾、藻が大量に打ち寄せられている大津市の膳所公園などを視察しました。
近畿地方建設局は22日から大阪、京都、兵庫の取水制限を実施。農業、生活、工業用一律に、過去13カ月の最高取水量の10㌫を削減するもので、各府県とも「この削減による生活への直接の影響はない」としています。
このまま推移すれば、琵琶湖総合開発の利用低水位マイナス1・5㍍突破は時間の問題で、滋賀県は視察団に、「マイナス1・5㍍に下がれば、下流府県の取水はゼロ。あとは人道上の問題だけ。危機感をもって対処している」としました。
寺前氏らは、「琵琶湖は危機状況。徹底した渇水対策を宣伝し、住民の生活を守るべき」と求めました。
これに近畿地方建設局の穂波宣員河川管理課長は、「上下流府県の合意を得て、取水制限強化をはかりたい」とのべるにとどまりました。
視察と申し入れには、中島武敏衆院議員秘書、穀田恵二衆院議員秘書、藤木洋子兵庫県委員会国政対策責任者、大沢たつみ同福祉・医療対策委員長、川内卓滋賀県委員会渇水対策本部長、吉原稔滋賀県議、林良子同県議、桐山ヒサ子同県議、杉本敏隆琵琶湖海区漁業調整委員、森しげき県政策委員長らも参加しました。