■琵琶湖渇水マイナス76㌢ 党滋賀県委員会も対策本部設置(1994年8月9日)

 日本共産党滋賀県委員会は9日、琵琶湖渇水対策本部(川内卓本部長)を設置しました。近く近畿地方建設局などに、琵琶湖の渇水被害を軽減するよう放流量の調整、下流府県の節水対策などを申し入れることにしています。

 琵琶湖の水位は9日現在でマイナス76㌢。8月としては、過去最低だった1939年のマイナス70㌢の記録をさらに更新しました。

 能登川町湖岸の植栽ヨシが7千平方㍍にわたって枯れ、一部に漁船の航行障害が出ています。また、干上がった河川ではアユの漁獲被害が、地下水を簡易水道で利用している湖北町など3町では給水を制限。農作物への被害も出始め、琵琶湖の生態系への悪影響も心配されています。

 下流府県は、いずれも「今の段階で、住民への節水よびかけは必要ない」としており、大阪府は「このまま推移しても琵琶湖がマイナス1・5㍍になるのは9月上旬。当面、心配していない」としています。

 京都へは9日現在、琵琶湖疏水(そすい)から毎秒16・34㌧を取水。水位低下による自然減で、通常の23・65㌧からは減っているものの、水道供給に不安はありません。

 大阪、兵庫へは、瀬田川洗堰(あらいぜき)から毎秒54㌧を放流。淀川の枚方地点で流入河川とあわせ毎秒約180㌧を確保しています。

 琵琶湖の水位低下が早いテンポで進んでいるのは、6月中旬以降、雨がほとんどなかったことに加え、建設省が「琵琶湖総合開発でマイナス1・5㍍まで取水が可能になった」として、節水協力をよびかけないまま、放流を続けているためです。

     ◇

 滋賀県は9日、琵琶湖の渇水問題で、これまでの水位連絡調整会議を、稲葉知事を本部長とする渇水対策本部に切り替えました。引き続き、被害状況の調査と、今後の琵琶湖水位低下の状況をみて、下流府県への放流量削減の要請も検討します。