■過大すぎる工業地計画で住民に高負担 湖南中部下水道(1994年4月22日)

 日本共産党の桐山ヒサ子県議と同町議員団が22日、県の琵琶湖流域下水道計画湖南中部処理区のうち石部町の計画について、「実態とまったくかけ離れた過大な計画で、ぼう大な地元負担で計画の進捗を遅らせている」として県に見直しを求めました。

 桐山県議らは、▽同町の都市計画では工業地域を132haとしているのに、下水道計画では231・4haと2倍近くに見積もっている▽既存工場の排水量は1日・ha当り10・8tで、計画どおり工場が立地しても一日排水量は1350tなのに、計画では1万5000tと11倍も過大▽上水道は一日7000tしか供給能力がないのに、下水道には2万5000tと3・5倍もの流入を見積もっている、などと指摘して計画排水量の見直しを求めました。

 県の下水道建設課は、「今年から2年間で湖南中部計画を見直す」としました。しかし、見直しは「計画地域の新たな編入が中心」と、これまで県も過大計画を認めてきたことを否定する見解を示し、「将来、排水量が伸びる可能性もある」としました。

 議員団は、「過大な計画で大きな下水管が施工されれば、設計基準の最少流量が得られず、管がつまる事態がおきる」とのべ、下水道では大は小を兼ねないことを主張。町も「工場につなぐ工事はストップする」といい、町議会も県に見直しを求めていると指摘しました。

 下水道計画の同町部分は、事業費約130億円。一部共用が開始された地域では、家庭への下水道接続工事で1戸約100万円の工事費と、2カ月で約4000円の「上水道料金なみに高い」下水道料金が住民負担となっています。