■琵琶湖の埋め立て工事続く(1994年2月25日)

公有水面埋立法による琵琶湖の埋立て

1973.3 下水道浄化センター    草津市 669,995m2
 75.2 沖の島漁港          近江八幡市 26,625
 75.3 尾上漁港           湖北町 22,437
 76.6 長浜上水道         長浜市  3,285
 77.10 国道161高島バイパス  高島町 38,136
 78.9 堅田漁港          大津市  5,906
 85.1 北山田漁港         草津市 20,462
 87.4 大津港           大津市 63,773
 88.2 志那漁港          草津市 3,037
 88.2 栽培漁業センター     草津市 15,585
 89.3 大津湖岸なぎさ公園    大津市 *73,937
 89.8 草津市北山田浄水場   草津市 26,151
 89.10 県道片山木之本線    湖北・高月町 26,595
 89.10 県道北舟木勝野線    安曇川町 20,151
 90.11 都市計画道路饗庭海津線 今津・新旭町 4,312
 92.1 都市公園湖岸緑地     草津市 23,870
 92.1 都市公園湖岸緑地     草津市 18,581
 93.2 都市計画道路世継相撲線 長浜市 *70,336
 93.12 大津湖岸なぎさ公園    大津市 *19,524
 計画 彦根港             彦根市 *5,911

 琵琶湖の環境保全を求める声が高まっているなかで、湖岸埋立ての工事が続いています。なかには埋立て計画のあとから隣接する湖岸の土地を確保できたのに、それでも計画は変更しないという例もあります。公有水面埋立法では「埋立てが必要な合理的理由」をきびしく求めています。

 現在すすむ埋立ては、大津市なぎさ公園7万3900万m2のほか、県の本格的オペラ劇場の「びわ湖ホール」1万9500m2、長浜の都市計画道路と湖岸緑地の7万300m2、県のレクレーション基地・彦根港マリーナ5900m2(いずれも埋立て面積)。

 工事の目的は、琵琶湖総合開発の水位低下に伴う漁業者への補償工事から、「琵琶湖のリゾート化」のためへと変化しています。

 県は「琵琶湖を埋立てる悲しい歴史はこれで終わりにしたい」(武村正義元知事、草津市の大規模下水処理場建設で)、「琵琶湖を安易に埋立てない」(稲葉稔県知事)と繰り返してきました。しかし知事の権限である埋立て免許の行使はまったく逆です。

 「埋立ては琵琶湖の生態系を破壊する」という声は強く、長浜の都市計画道路は、湖岸のヨシ帯をまもろうという県条例成立と同時の工事着手で、強い批判がだされました。

 「びわ湖ホール」では、計画が確定してのちの昨年2月、隣接する土地1万5000m2を新生党の河本英典参院議員(綾羽工業社長)から83億9000万円で購入決定。しかし埋立て計画は変更せず、駐車場を建設します。

 先月末のかけこみ県補正予算では、彦根マリーナの隣接地1万2400m2を14億4700万円で西武不動産から購入。これも社会教育施設にあてる予定です。これらの買収土地は、いずれもかつての琵琶湖埋立て地でした。