■びわ湖の水と環境を守る会結成(1994年2月4日)
琵琶湖を守る住民運動団体「びわ湖の水と環境を守る会」が4日、滋賀県大津市の勤労福祉センターで結成総会を開きました。
参加した約30人の人たちは、琵琶湖総合開発による琵琶湖の水位低下マイナス1・5㍍の見直し、琵琶湖の自然環境の保全と回復をめざす運動方針と、代表委員に日本科学者会議滋賀支部代表幹事の大竹昭郎さんと日本環境学会副会長の林智さん、事務局長に日本共産党の前県委員長・西田清さんを決めました。
会は、昨年の琵琶湖の異常水位低下で湖の生態系が長期にわたりかく乱されるおそれがあること、プランクトンのアオコから毒性物質が検出される事態にまでなっているなど、琵琶湖が「死の湖」となる危険があるとして、参加がよびかけられていました。
代表委員の林氏は、「環境問題では、世界を考えながら身近な問題に取り組むことが大切といわれているが、その接着剤の役割を果たしたい」とあいさつしました。
総会のあと、岡本巌・滋賀大名誉教授が「南湖は汚れてもやむを得ないか」と題して記念講演し、湖水の流れの研究から、「南湖の水質は北湖より汚れているが、直接、近畿の人たちの利用する水であり、北湖に逆流することで北湖を汚濁している」と、下水道の整備など南湖を含む琵琶湖全体の水質回復の手だてが必要と指摘しました。
会は個人加盟の組織で、ひきつづき学習や調査に取り組みます。