■「灰色」で終了、県の談合調査(1993年11月2日)

 県立「琵琶湖博物館」(仮称)工事入札の談合疑惑で、県は2日、「談合の疑惑は否定できない。これまでの入札参加業者を白紙にもどし、制限付き一般競争入札で実施する」と、灰色のまま事実上の終了宣言をおこないました。

 県は、同博物館入札で、談合疑惑情報が出されたために入札を延期。入札参加予定だった14組の共同企業体を構成する県外大手企業14社と県内業者28社から事情を聴取しました。

 稲葉稔知事は、「談合があったかどうかは、はっきりしないが、グレー(灰色)だと思う」としました。県は、入札の指名をすべて取り消し、あらためて制限付き一般競争入札をおこなうとしています。

 マスコミ各社に「今回の物件は、間違いなく、竹中・辻寅・笹川建設工事共同企業体が落札する」と匿名の情報が寄せられ、談合は「武村正義氏の声だ、との認識のもとに、根回しは完了していた」「(武村氏の)東京事務所の秘書が(談合に応じなかった企業に)『降りろ!天の声だ』と一喝した」などと指摘するものでした。

 疑惑を向けられた武村正義東京事務所では「関係は全くない。調査も必要ない」としています。