■学者、住民、漁民らが意見交わす 琵琶湖政策でシンポ(1993年9月24日)

 日本共産党滋賀県委員会は24日、大津市中央公民館で「琵琶湖問題シンポジウム」をひらき、学者や住民運動代表、漁民などもまじえて琵琶湖と環境、県民の生活を守る方向をめぐって話し合い、運動を交流しました。

 シンポジウムは同党県委員会が先月発表した「いまこそ大企業のもうけ優先の乱開発をやめ、琵琶湖保全を優先する政治へ転換を」の政策について意見を交流。西田清県委員長が政策の骨子を説明しました。

 パネラーの岡本巌滋賀大学名誉教授は「提案は傾聴に値する。南湖の汚染にあきらめの声も聞かれるが、近畿1千4百万住民はこの水を飲んでおり、北湖への逆流もある」とのべたほか、国松孝男県立短大教授は「住民が監視し、施策にその声を生かす制度が必要だ」と指摘しました。

 また「びわ湖自然環境ネットワーク」の寺川庄蔵代表は「県の環境行政はすすんでいるように見えるが、実際に現場を見れば逆だ」と告発。

 漁業調整委員の杉本敏隆氏は「魚の産卵場の埋立てなど環境破壊で漁業は壊滅的な打撃をうけている」と漁業の深刻な事態の打開を訴えました。

 参加者からも「急激な湖岸の浸食で白砂青松の湖岸が破壊されている」「農業用水の反復利用施設が、かえって琵琶湖を汚している」「住民運動が浜大津人工島や膳所公園のヨシを守ってきた」「内湖の復元は夢のような話におもえたが、現実みがある」「建設用に湖底砂利が採取され漁業を破壊している」などの声もだされました。

 最後に西田委員長が「貴重な意見が出された。琵琶湖や環境を守るのは住民の運動。私たちもがんばります」とのべ、さらに政策を豊かなものにして琵琶湖と環境を守る決意を表明しました。