■「住民合意なしにはできない」と副知事 びわこ空港(1993年6月11日)

 日本共産党の森しげき衆院候補と吉原稔県議、建設予定地の蒲生、日野両町町議など湖東地区議員団が11日、稲葉稔知事あての「びわこ空港計画の撤回」申し入れ書を岩波忠夫副知事(空港推進本部長)に手渡しました。副知事は「空港は絶対必要」とこたえましたが、同時に「住民の同意なしにはできない」とものべました。

 申し入れは、「びわこ空港」計画が、財界の要求を動機とした県民不在の計画であることを指摘し、琵琶湖流域の自然環境を破壊し、空港の需要予測も科学的合理性がなく、県民にばくだいな財政負担を強いるものと述べて、▽計画の白紙撤回、▽「六空整」での着手を前提にした地元説得の中止、▽環境アセスメントの断念、▽周辺市町の基金設置を認めないこと、▽空港を核とした「交通ネットワーク構想」「地方拠点都市」整備計画の抜本的見直しを要求しました。

 副知事は、県議会委員会で県が「環境アセスメントは部分着手も可能」と述べた発言を「すでに取り消した」とし、「空港の必要性は確信しているが、住民の同意なしにやれない」とのべました。

 森氏は「話し合いというが、県の主張が理解されるまで続けるというのは民主主義ではない」と批判しました。

 県は「今年8月末がタイムリミット」だとして、強引な「説得」をすすめています。地元両町住民でつくる建設反対協議会は10日にも、代表9人が上京し、運輸省に反対の決意と、一部地区の「同意」は県の強引な「つめ」によるものと申入れています。