■差別と選別の教育「改革」 県立高校入試「大綱」(1993年6月4日)

 滋賀県公立高校教職員組合(八田光雄委員長)は4日、定期大会のなかで、県教委の「高校入試制度『改革』、高校再編計画などの新『多様化』路線は、すべての子どもたちに確かな学力をつけることを放棄した選別・差別の教育政策」だとして反対する大会宣言を採択しました。

 入試制度の改革は2日、県教委が「県公立高校入学者選抜制度改革大綱」として公表したもので、八田委員長はあいさつでも「高校多様化にそった入試制度の改悪。県民合意を欠いた拙速なやり方だ」と批判しました。

 「大綱」は、普通科の一部に推薦入学制度をもうけ、専門学科の入試科目を1科目減らすほか、傾斜配点を導入。また入学判定の資料となる内申書にクラブ活動や地域活動、生徒個人の関心や思考、表現などを評価するとしています。

 全教滋賀教組も「大綱は、学校に格差をつけ、特定科目への偏重を強め、子どもたちの前面的発達保障に逆行する。自主的な活動や人間性にかかわる部分を評価するのも教育の名にふさわしくない」(谷本善弘委員長)と反対を表明しています。