■琵琶湖をラムサール条約登録へ 滋賀県知事が表明(1993年2月2日)

 滋賀県の稲葉稔知事は2日、琵琶湖をラムサール条約(「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」)の指定湿地に登録するよう関係市町村、団体、省庁と協議したい意向を表明しました。

 同条約は渡り鳥の保護や、湿地や湖沼などの自然環境を守るため、世界各国が協力して湿地の保全をはかることを目的としています。加盟国は現在、70カ国(登録湿地567カ所)で、日本は80年に加盟。北海道の釧路湿原、クッチャロ湖、ウトナイ湖や、宮城県の伊豆沼・内沼の4カ所が登録されています。

 琵琶湖は、近畿住民の最大の飲料水源で、カモやハクチョウなど22種類、5万羽以上が飛来する日本国最大の湖。今年6月に北海道釧路市で開かれる第5回同条約締約国会議をまえに昨年10月、滋賀県は大津市で開かれたアジア湿地シンポジウムをラムサールセンターや環境庁などとともに主催。これをきっかけに琵琶湖の指定を求める声が強まっていました。

 同条約の指定湿地とすることは日本共産党滋賀地方議員団も環境庁などに要求してきました。

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 環境庁の喜多弘野生生物課長は、「結構な話なので、滋賀県から正式な要望があればきちんと受けとめて対応したい」と話しています。