■琵琶湖、大規模開発で住民団体がシンポ(1992年8月30日)

 近畿の環境問題にとりくむ住民団体が29日から開いていた滋賀県近江八幡市での「輝け琵琶湖!近畿の水源を考える住民会議」シンポジウムで30日、水源保護法・条例や環境保護法の制定、びわこ空港や第2名神高速道路などの大規模開発を撤回・抑制すること、リゾート法を廃止することなどを求めた大会宣言を採択しました。

 「水源住民会議」は、近畿の琵琶湖淀川水系地域の環境保護を訴える住民団体が初めて集まったもので、滋賀、京都、大阪、兵庫などから約200人が参加。水質汚染、リゾート・ゴルフ場・森林破壊、景観破壊、大規模開発など5つの分科会にわかれて討論しました。

 大会宣言をめぐって、とくに水源地域の自然環境を保護する法制度が必要なこと、近畿の水源である琵琶湖の環境に重大な打撃を与える「びわこ空港」、第2名神高速道路建設などの大規模開発の撤回・抑制を、また「リゾート法の廃止」を求める大会宣言を採択しました。

 シンポジウムでは、大阪湾のベイエリア開発、地方空港計画など、開発が広域化、巨大化していること、「ひとつの地域運動では飲み水の安全も守れない」と住民運動の連携が強調されました。

 シンポジウムをよびかけた滋賀の「びわ湖環境ネットワーク」(22団体、寺川庄蔵代表幹事)から、毎年、近畿の住民会議を開こうという提案が出され、参加者は拍手で承認しました。

  「住民会議」には近畿の28団体が協賛、約200人が参加しました。基調報告では、琵琶湖総合開発やリゾートネックレス構想、多目的保安林事業などで琵琶湖水質の汚染や、周辺の環境破壊が進行していることが訴えられました。

 参加者からは、「田上空港計画を中止させたが、引続き第2名神建設が持ち上がっている。開発の規模は近畿圏にひろがっている」(滋賀)、「モヒカン刈りの一条山やポンポン山などの乱開発を、住民と市民が手を結んで不許可にさせた。多数派結集と、府県をこえてたたかうことが大事」(京都)、「琵琶湖総合開発の負担が、大阪では水道料値上げとして住民に押しつけられようとしている。大阪湾のベイエリア巨大開発の推進者は近畿2府5県を念頭においている。近畿の住民が手をつないで運動をすすめよう」(大阪)などと報告しました。