■「これこそ民主主義」同和対策廃止の日野町など吉川春子参議院議員が視察(1992年3月19日)
日本共産党の吉川春子参議院議員は19日、同和対策事業の完了を宣言して同和対策課を廃止する滋賀県日野町や、同和対策局廃止の大津市などを視察。新しい町づくりめざす日野町豊田区の住民とも懇談しました。
豊田区(約400所帯)は、県下でも大きい対象地区でしたが、昨年住民あげて事業の完了を祝う完了祭をひらきました。町も、町主催の完了祭や、同和対策課の廃止で、同和事業の一般施策への移行、一般施策の拡充で「人権尊重と福祉の″ふれあい″の町」づくりをめざしています。
地域の同和対策促進協議会会長の高岡光男さん(56)らが吉川議員をむかえ、徹底した住民の討論で事業の推進、不正をチェックしあい、事業の完了と同和問題の解決をめざしてきたことを紹介しました。
また、町役場では森田忠蔵町長が「全国からの注目を受けて責任の重さを感じています」と、福祉の町づくりへの決意が出されました。同町は、現在開かれている議会に全町民対象の乳幼児医療費の無料化、お年寄りの中間施設の建設など11項目の福祉の充実施策を提案しています。
吉川議員は「全国の同和事業は非常識がまかりとおっていると感じてきましたが、大津市では常識が、日野町では理想が行われていると感じました。住民の正しい運動が決め手で、主体性を持った行政とあいまって、全国でも希有な例になっている。正しくすすめられれば、同和事業はみのりが多かった。住民のみなさんがおこなわれた完了祭には、民主主義を実感しました」と話していました。