■ヨシ条例の厳正な運用を求める(1992年3月3日)

 滋賀県が全国で初めて制定するヨシ群落保全条例について、日本共産党の吉原稔県議は3日の県議会一般質問で、条例の制定を評価しながらも、その厳正な運用を求めました。

 吉原議員は、ヨシ群落をつぶしてきたのは琵琶湖総合開発の埋め立て工事をすすめてきた県や国だったことを指摘し、その反省と、今後の琵琶湖総合開発による1・5メートルの水位低下によるヨシ群落の破壊を防止することが必要と、対策を求めました。

 また条例では、保護地域の指定方法が、工事などの原則禁止区域を設けるのでなく、許可制、届出制になっていること、地域指定に意見書を提出できる利害関係者の範囲が狭いこと、すでに着工されている工事を条例の適用除外にしていることなどの問題点を指摘しました。

 また吉原県議は、現在すすめられているリゾート・マリーナ計画、都市街路計画、自転車道や人工なぎさ、西の湖の蛇砂川改修計画などは、ヨシ群落を破壊するものとなるとして、抜本的に見直すよう求めました。県は「既着手行為の見直しは困難」との立場を固執しました。

 吉原県議はまた、県が策定している「第二次水質保全計画」について質問。計画の目標は環境基準にとうていおよばないこと、また一部に「第一次目標」を下回る項目まであることを指摘し、総量規制の導入、ゴルフ場排水の規制、水位低下への対策などが必要と求めました。

 県は「達成可能な目標をきめた」「水位低下の予測はむつかしい」など答弁し、環境基準の近い将来での達成をあきらめたような答弁内容に終始しました。