■「住宅地隣接ゴルフ場は農薬散布やめて」志賀町住民公害調停(1992年2月29日)

 志賀町の比良ゴルフ場の農薬使用中止を求める公害調停の第1回めの審査会が29日、県庁で開かれました。申請人住民など58人がつめかけ、3人が意見を述べました。しかし比良ゴルフ倶楽部、県、町は出席せず、不誠実な対応で出席者の怒りをかいました。

 陳述では、「びわ湖の水と大気を守る会」代表の百瀬稔さん(46)が、びんに詰めたゴルフ場排水や、2万人が住む住宅地に隣接するゴルフ場のパネル写真を示し、水道取水口から1キロの場所に排水が流れていると、農薬の使用中止を訴えました。

 また古磯恵さん(41)は、ゴルフ場開業以来、体調をくずす人が多くなり、「小野っ子ラリー」行事に参加した児童が農薬にさらされて149人が異常を訴えたこと、「子どもがツクシやヨモギをとってきても調理する気になれない」と主婦の実感を込めて訴えました。

 増井平造さん(69)も、「次代に環境汚染を残してはならない。 開放型のゴルフ場造成は日本の風土に合わない」と訴えました。

 この公害調停は、住民2319人が申請し、ゴルフ場農薬散布による空気や琵琶湖の汚染をやめるよう求めています。さらに申請者をつのり、5000人の集団申請をめざしています。