■マンション、ゴルフ場が争点に、志賀町長選挙(1992年1月31日)

 4日告示の滋賀県志賀町の町長選は、民主町政の実現なるか、どうかが注目されています。同町は、県のリゾート開発重点地域に指定されており、そのことで乱開発を許すか、町内にあるゴルフ場の無農薬化を実現するか、が争点に浮上しています。選挙結果は、一つの町にとどまらない内容を持つものとなっています。

 同町では、マンションションの建設ラッシュや第2ゴルフ場、マリーナ計画などが続々。高層マンションは16棟もの計画があり、うち3棟が建設を完了。景観破壊のほか保養所の屋根がこわれる「風害」まで現われています。

 町は「琵琶湖が見えないというなら、もっと前に自分で建物を建てたらいいんだ」と、問答無用の推進姿勢をかくしていません。

 この現職町長・宮田甚兵衛氏(62)の陣営には保守系町議に加え、社会党、連合が参加しています。

 おおわだ文三郎氏(63)を推す「民主町政をつくる会」は、政策の第一に、「自然環境の破壊にストップ」を掲げ、高層マンションの規制、国土利用計画からゴルフ場計画を削除し、無農薬化即時実現、マリーナ計画中止、「ジェットスキー」の規制を訴えています。

 住民の町政への批判が「民主町政の会」への支持に集中するのをさまたげるかのように、これまでゴルフ場の無農薬化やゴルフ場建設の凍結をもとめる住民請願に反対してきた前町議会議長の北村正二氏(37)も「環境問題」を公約に掲げ始めています。